ソーシャルレンディングはコロナショックの影響を受ける?貸し倒れや返済遅延は

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2020年に入り、新型コロナウイルス流行の影響で様々な経済指標が下落を見せています。

日本の株式市場もわずか1ヶ月で3割以上相場が下落するなど、資産の損失を発生する人が多くなっているのです。

そんな状況下で、ソーシャルレンディングはコロナショックの影響をどの程度受けているのでしょうか。

2020年4月末時点の結果を見ながら、分析していきます。

ソーシャルレンディングで返済遅延や貸し倒れは発生していない

まず結論から言えば、2020年2月から4月にかけ、ソーシャルレンディング案件での貸し倒れや返済遅延は発生していません。

表面上の判断になるかもしれませんが、ソーシャルレンディングへの影響はまだ出ていないと言えます。

2020年2~4月に返済遅延や貸し倒れを起こしたサイトはない

現在日本では、10以上のソーシャルレンディングサイトがあります。

2018年から2019年にかけては、数多くのソーシャルレンディング会社で大規模な返済遅延や貸し倒れが発生しました。

1社につき100億円以上の貸倒れが発生した会社もあり、未だに投資家へ満足な資金の返済が行われていないサイトもまだまだあるのです。

そのためソーシャルレンディングは大変危険な投資であるとの評価も広がっていました。

しかし、2019年3月に金融庁財務局が匿名化を解除し情報の開示性が大幅に増しました。

それ以降はソーシャルレンディング会社も積極的に情報を行うようになったこともあり、ソーシャルレンディングではリスクを重視する投資家が増えたのです。

その結果2020年どころか、2019年中盤以降から貸し倒れや返済遅延は、どのサイトでも一回も発生していません。

そして2020年に入り、コロナショックの発生意向も、2020年4月末までは、大規模な返済遅延や貸し倒れは一件も起きていないのです。

ソーシャルレンディングに投資している人は、2020年に入ってからも一定の利益を稼ぎ出す事に成功しています。

投資家心理への影響は生まれている?

しかし、一方で決して無視できない影響が生まれているのも事実です。

例えば海外案件を専門に取り扱うソーシャルレンディングサイト「クラウドクレジッ」トでは資金募集のペースが低下していることがわかります。

クラウドクレジットは2020年3月末の段階では、286億円を集めることに成功していたのですが、2020年4月末の数字は289億円です。

月間にしてわずか2億5000万円程度しか集めることができていません。

明らかに、クラウドクレジットのこれまでの募集ペースよりも落ちています。

また2020年3月には、SBIソーシャルレンディングで27億円規模の募集を行いましたが、24億円しか集まらなかったこともありました。

SBIソーシャルレンディングは親会社が上場企業であり、またこれまでの実績が豊富なことから投資家から信頼を得ているソーシャルレンディングサイトです。

しかし、そのSBIソーシャルレンディングすら満額を集めることができなかったのです。

これからどのような影響が起こるかわからない現在、投資家はできるだけ最も低リスク資産である現金として資産を手元に置いておきたいと考える傾向があるのかもしれません。

今後影響が出る可能性は0ではない

また貸し倒れがこれまで一度も起きてないからといって、今後コロナショックの影響が生まれる可能性はゼロではありません。

むしろソーシャルレンディングは貸金によって収入を得る投資手法ですから、全く影響が出ないことなどあり得ないと思っておいた方が良いです。

ではどういった案件で、特に悪影響が出やすいのかを考えてみましょう。

ホテル案件は危険

まず、貸し倒れが発生する可能性が高いのはホテルへの融資案件です。

2020年3月の海外からの観光客数は、なんと前年から93%も減ってしまったとの調査結果が出ています。

そのためインバウンド需要をあてにしていた観光業各社は大きな悪影響を受けており、コロナ不況による倒産も多数発生しています。

ホテルへの融資案件は、これから先大きく売上が低下するでしょう。その影響で、どんどん返済遅延や貸し倒れが発生する可能性があるのです。

資金調達のためにそういった案件の募集が行われても、リスクがかなり大きいことを承知してから投資をするべきです。

飲食店案件も危険

また飲食店関係の案件も危険だといえます。

東京都は2020年4月7日に緊急事態宣言を下し、その緊急事態宣言は全国に波及しました。

その結果、数々の飲食店が営業を休業、もしくは時間を制限するなどの規制下にあります。

また国民が外出を控えることになったより、営業している飲食店の売上は大きく下落しています。

今後資金繰りに窮した会社が、どんどん倒産している可能性が高くなっていくと見込めます。

fundsの大阪王将案件のような、大規模飲食チェーン店への融資であれば、まだ低リスクですが、小規模な飲食店への投資は大変に危険だと思っておいた方が良いでしょう。

不動産は不況から半年~1年で影響が生まれる

また不動産案件に対しての影響は、どの程度生まれるでしょうか。

一般的に不動産は、株式やREITと違い、即刻の売買ができないため売却にどうしても時間がかかってしまいます。

そのため価格下落などの影響が起こるのは、不況の発生から少し時間が経ってからなのです。

バブル経済の崩壊後も、不動産価格が大きく下落したのは、バブル経済が崩壊した1990年ではなく1991年以降からです。

不動産関係の融資案件は、種類を見極めていかないと思わぬリスクを被る可能性があるでしょう。

継続して一定の収益を出せそうな案件とは

一方その中で数々のソーシャルレンディング案件中でも、比較的一定の収益を出すことが可能な案件もあります。

それはいったいどのような案件でしょうか。

そしてなぜ不況の影響を受けないのでしょうか。

自然由来エネルギー案件

自然由来エネルギー案件とは、バイオマス発電や太陽光発電所の発電収入を投資家に配当しているタイプのソーシャルレンディング案件です。

自然由来エネルギーの発電にされた電力は、国が一定価格での買取を行っています。そのため、収入が景気に左右されることがありません。

自然災害リスクは存在しますが、継続して太陽光発電やバイオマス発電を続けることができていれば投資家に収入がきちんと配分されます。

自然由来エネルギー案件に関して注意しておくべきは、いつまで買取期間が設定されているか何円で買い取りが行われる契約なのかという点になります。

居住用や物流不動産案件

不動産案件でも居住用物件、つまりマンションへの融資案件や倉庫などの物流不動産案件は比較的資産保全性が高いと言えます。

実際にREIT相場を見ても、これらの人間の生活に必要不可欠なタイプの不動産価格は、大きく下落を見せていません。また暴落後に値上がりを見せています。

どんな状況に陥ろうが、人にとって住む場所は絶対に必要ですし、インターネットショッピングが発展している昨今、物流施設の需要も今はどんどん上昇しています。

それだけに景気の動向にかかわらず借りる人がいるので、一定の収入が見込めます。

まとめ

クラウドバンクではこのコロナショックを受け、コロナショックで資金繰りに窮した事業者を救済するためのファンドの募集を始めます。

ソーシャルレンディングにおいても、こういった案件が今後増えていく可能性があります。

社会貢献できるという大きな意義を持っていますが、リスクは決して小さくないです。

そのため、コロナ関係の案件に投資する時はよく気をつけるようにしましょう。

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