公的年金だけでは2,000万円が不足するという政府の試算が発表され衝撃を呼んだのも記憶に新しいところ。
年金収入だけの老後になることに、不安を感じている人は多いのではないでしょうか。老後の資金を貯めたいと思っても、貯金するだけではなかなかお金は増えません。
そこでおすすめなのがソーシャルレンディング投資です。高い利回り(平均で年5~6%)でほったらかし投資ができるので、年金代わりにもなります。
この記事では、
- ソーシャルレンディング投資が年金代わりになる理由
- ソーシャルレンディング投資で知っておくべきリスク
についてくわしく解説します。
目次
ソーシャルレンディングは、投資家と企業を結びつける
まず、ソーシャルレンディングは投資家とお金を借りたい企業を結びつけるサービスです。ソーシャルレンディング事業者はネット上でお金を集めて、お金を借りたい企業に融資します。
お金を借りた企業は元本と一緒に利息を返済します。この利息の一部が事業者の利益となり、残りは投資家に分配されます。
投資家は投資する案件を選ぶだけでOKです。利回りが高い(平均で年5~6%)うえに、ほったらかし投資ができることで人気があります。
ソーシャルレンディング投資は年金代わりになる
ソーシャルレンディング投資は、年金を補う手段として有効です。
その理由をこれからくわしく解説していきます。
少額から始められる
ソーシャルレンディング投資では、1万円から投資できるソーシャルレンディング事業者がほとんどです。また、Fundsという事業者なら1円から投資できるので気軽に始められます。
少額から始められることで、投資資金が少なくても複数の案件に分散投資ができます。
専門知識はそれほど必要ではない
投資と言えば、株・FX・不動産投資などが有名ですよね。最近では仮想通貨もブームになりましたが、これらの投資方法では専門知識が必要です。専門知識がないと、大損する可能性があります。
一方、ソーシャルレンディング投資では最初から、専門知識は必要ではありません。
もちろんソーシャルレンディング投資の仕組みや、事業者・案件の選び方などは最低限知っておくべきです。
ですが、一度それらの知識を得たら、あとは案件を選ぶだけで済むのでソーシャルレンディング投資に馴染みがない人でも始めやすいと思います。案件選びも簡単なので、「投資の知識はないがこれから新しく資産運用を始めたい」という人にも向いています。
ただし、投資なのでリスクは存在します。
最初は少額から投資を始めて、経験を積んだら徐々に投資資金を増やしていくと良いでしょう。
複利運用しやすい
複利運用とは、元本を運用して得た利息を、次の元本にくわえて再投資する運用方法です。つまり、利息が利息を生んでくれるので効率的に資産が増やせます。複利運用しない場合と比べると、すぐに差が表れるものではありませんが、長期的な運用では大きな差が生まれます。
ソーシャルレンディング投資でも、得られた分配金を再投資することで複利効果が期待できます。分配金を毎月もらえる事業者が多いので、再投資しやすいというメリットがあります(Ownersbookのように配当が毎月ではない事業者もあります)。
ミドルリスク・ミドルリターン
代表的な投資方法には株・FX・不動産投資などがありますが、これらはハイリスク・ハイリターンです。老後の資金を目的としている場合、ハイリスク・ハイリターンの投資は大損する可能性があるので不向きです。
一方、ソーシャルレンディング投資は短期的に大きな利益を得ることはできませんが、一定のリターンを期待できます。ミドルリスク・ミドルリターンなので、若いうちからコツコツ運用していくのがおすすめです。
不労所得になる
ソーシャルレンディング投資では、あらかじめ運用期間と利回りが決まっています。投資家は案件を選ぶだけで、満期になるまで何もする必要がありません。放っておいても分配金がもらえるので、不労所得と言えますよね。
分配金がもらえるタイミングは案件や事業者によって変わりますが、主に以下の3パターンのうちのどれかです。
- 毎月
- 3か月に1回
- 満期時に一括
案件をうまく組み合わせれば、毎月年金代わりに不労所得を得ることも可能です。
毎年30万円を30年間投資した場合の分配金を計算
実際にソーシャルレンディングに投資したとして、分配金はいくらもらえるのかシミュレーションしてみましょう。
ソーシャルレンディング投資の平均利回りは5~6%なので、ここでは利回りが年5%の案件に投資するものとします。
<シミュレーション上の案件>
- 想定利回り 年5%
- 運用期間 1年
この案件に、毎年30万円を30年にわたって投資した場合、
30万円×5%=15,000円
1年間で15,000円の分配金が得られます。
税金20.42%が源泉徴収されてから分配されることを考えると、
15,000円ー(15,000円×20.42%)=11,937円
1年で11,937円の分配金がもらえます。この案件に30年投資するので、
11,937円×30年=358,110円
合計で358,110円の分配金がもらえます。分配金を再投資することは計算に入れていないので、再投資すればさらに分配金を増やせます。
同じ条件で国債に投資した場合の利息を計算
どれだけ分配金が多いのか分かりにくいと思うので、個人向け国債を計900万円(毎年30万×30年)買った場合についても、シミュレーションしてみましょう(2020年2月時点のシミュレーションです)。
ここでは分かりやすくするために30万円ずつ国債を購入しています。
固定金利3年満期を30万円ずつ、30回に分けて計900万円分を購入したとします。30万円投資して得られる利息は合計449円なので、
449円×30=13,470円
利息は合計13,470円です。
同じように、固定金利5年満期を30万円ずつ、30回に分けて計900万円購入したとします。900万円の投資で利息は合計22,470円です。
また、変動金利型10年満期を30万円ずつ、30回に分けて計900万円購入したとすると、変動金利なので利息は合計で2,220円です。
一番利息が多い固定金利5年満期でも、利息は22,470円です。同じ金額を投資していても、ソーシャルレンディング投資の分配金358,110円には遠く及びません。
ソーシャルレンディング投資のリスク
ソーシャルレンディング投資は国債よりもはるかに利回りがよいことはお分かりいただけたと思いますが、投資なのでリスクがあることを忘れてはいけません。
まず、ソーシャルレンディングは投資なので元本保証はありません。
そして、ソーシャルレンディングでお金を借りた企業が、業績の悪化や倒産などでお金を返済できない場合があります。これを貸し倒れ(デフォルト)と言い、最悪の場合は元本の大半が戻ってきません。
また、事業者自体が倒産してしまうリスクもあります。倒産してしまうと、運用中のお金や投資口座に預けているお金を回収するのは難しいです。
このようにソーシャルレンディング投資にはリスクはありますが、以下のような対策を取ることでリスクを減らせます。
- 分散投資を心がける
- 信頼性のあるソーシャルレンディング事業者を選ぶ
- 利回りが10%以上などの利回りが高すぎる案件は避ける
- 保証や担保付きの案件を選ぶ
- 借り手企業の情報を確認する
まとめ
ソーシャルレンディング投資は少額から始められるうえに、専門知識も必要ないので始めやすい投資方法です。
毎月分配金がもらえる事業者が多いので、複利運用しやすいというメリットもあります。また、ソーシャルレンディング投資はミドルリスク・ミドルリターンなので比較的一定したリターンを期待できます。
放っておいても分配金がもらえるので、年金代わりの不労所得になるのも大きな魅力です。
しかし、投資なのでリスクは0ではありません。リスクを十分理解したうえで投資を行いましょう。