ソーシャルレンディングには、様々な分野への投資案件があります。
不動産の開発事業案件、自然由来エネルギーの開発案件、また最近では飲食店の開業資金案件なども増加しています。
そういった多様な分野の案件の中で、特徴的な案件の一つに途上国の農業関連の案件があります。ここではその農業関連の案件の特徴やメリット、デメリットをお伝えしていきます。
読者の方が投資する際の判断材料にしていただければと思います。
目次
ソーシャルレンディングの農業関連の案件とは
まず、ソーシャルレンディングの農業関連の案件の概要についてみていきましょう。
途上国の農家への融資案件がメイン
農業関連の案件といっても日本国内の農家への融資案件ではありません。日本のソーシャルレンディング会社が融資してきた農業案件を見ると、対象国はカンボジアやカメルーンといった、いわゆる途上国の農家への融資案件となっています。
農家はソーシャルレンディング会社を通じて調達した資金を元手に、新しい農業機械や工具などを購入し、農業を効率的に展開できるような努力をしていくのです。
資本力があまりない農家の人が多いのですが、ソーシャルレンディングを通じて得た資金をもとに農業拡大し利益を生み出し、そしてその利益を返済していくのです。
担保や保証はない場合が多い
ソーシャルレンディングは貸金で金利収入を得るてと牛手法です。そのため、融資の際には担保や保証が付くことが多くなっています。
しかしこのソーシャルレンディングの海外の途上国向けの融資案件の場合、担保や保証はほとんどないです。お金を借りる農家は自分で資金を捻出することができないために、ソーシャルレンディングを数字で資金調達を行うのです。担保や保証があれば、金融機関からお金を調達できています。
担保や保証がないため、貸し倒れが起こるリスクは高くなる傾向にあります。
利回りは比較的高め
一方利回りのというリターンの数字もやや高めとなっています。それは海外の途上国案件は日本の貸金業法ではなく、その国の貸金に関する法律で運用されるからです。
また日本はマイナス金利政策が導入されており、銀行の金利は非常に低いです。
海外の場合、政策金利が3~5%など高い数値になっていることもあり、貸付金利は政策金利を上回る数字になることが多いです。そのため、リターンである利回りの数字も7%以上と高いものが多いです。
ソーシャルレンディングの農業関係の案件のメリット
では投資家の方が、ソーシャルレンディングの農業関係案件の投資するメリットとして、どんなポイントがげられるでしょうか。
利回りが高い
まず最も大きなメリットは収益性の点です。2021年時点で日本国内のソーシャルレンディング案件の利回りを見ると5%前後のものが多く、途上国農家向け案件の利回り7%以上という数字はかなり高い数値となっています。
投資である以上、リターンの大きさを求めたい人にとってはソーシャルレンディングの海外農業向け融資案件は投資する価値があるでしょう。
分散投資できるので、リスクは小さい
途上国向け農業案件は担保や保証はないため、貸し倒れが起こる可能性自体は高いです。
ただし、こういった案件の場合はソーシャルレンディング会社が直接農家に貸し出すのではなくまず、地元のマイクロファイナンスなどの金融機関に一旦貸し出します。そして、マイクロファイナンス機関が、小口の農業などの事業者に対して融資します。
例えば1000万円を貸し出す場合も、一つの会社に1000万円を貸し出すのではなく、50万円ずつ、20の小口事業者に貸し出すのです。
そのため基本的には融資先が分散されるため、いくつかの融資先で貸し倒れが起きたとしても、貸したの全額が全て損なわれるようなことはありません。また融資の際には貸し倒れ頭が起こることを前提に利回りを設定しているので、20の貸出先の内2~3の事業者で可塑だ俺が起きても、高い金利を確保できるのです。
社会貢献に役立つ
そしてもう一つの大きなメリットが、社会貢献性のある投資だという点でしょう。途上国の農家は潜在的なポテンシャルがあるものの、資金がないためになかなか事業を拡大できないケースが多いです。
そこに事業資金を融資することでその国の農業の発展を支援し、結果的にはその国自体を大きく経済成長させるためのきっかけづくりになるのです。
ソーシャルレンディングの農業関係の案件のデメリットとリスク
農業関係の相手に関するデメリットやリスクも見ていきましょう。投資する前にはメリットだけではなく、リスクに関してもきっちりと知っておくべきです。
投資できる会社が少ない
まず、農業関係の案件は、取り扱ってる会社が非常に少ないです。日本のソーシャルレンディング会社で海外向け案件を取り扱う会社はCAMPFIREOwnersやクラウドクレジットなど、数サイトに限られています。
また、海外案件を扱っているからといって、必ずしも農業関係の案件は使っているわけでもありません。
途上国ならではのカントリーリスクがある
途上国には、途上国ならではのカントリーリスクがあります。途上国の場合は日本ほど貸金に関する法律が整備されていなかったり、いわゆる夜逃げが多かったりするなどリスクの面やモラル面では日本よりも劣ることが多いです。
また日本にも自然災害がありますが、東南アジアの国でも台風、地震、津波といった自然災害に襲われることが多く、農家は特に大きな影響を受けます。
こういった、その国ならではのリスクについても投資する前に研究しておくべきでしょう。
ソーシャルレンディングで農業関係に投資できるサイト
では実際に、日本のソーシャルレンディング会社で農業関係の案件に投資できるサイトはどんなものがあるでしょうか。
CAMPFIREOwners
今最も積極的に海外の途上国の農業関係の案件を扱っているのが、クラウドファンディング企業CAMPFIREの子会社が運営するソーシャルレンディングサイト、CAMPFIREOwnersです。
カンボジアを中心に農家への融資案件を取り扱っており、投資家へのリターンである配当金利も7%前後となかなか高いものがあります。これまで貸し倒れが起きたこともなく、投資家に対して着実に利益を提供しています。
ネクストシフトファンド
海外案件を専門に取り扱うソーシャルレンディングサイト、ネクストシフトファンドでも時ジョージアや、カンボジアといった途上国への融資案件を扱っています。
ただし、ネクストシフトファンドは2020年4月以降新規案件の募集を行っておらず、投資機会がない状態が続いています。
クラウドクレジット
海外案件を専門に取り扱うソーシャルレンディングサイトの中でも、最も大手のサイトが、クラウドクレジットです。
クラウドクレジットはこれまで累計募集金額350億円を突破しており、日本国内のソーシャルレンディングサイトの中でも大規模なサイトのひとつです。
クラウドクレジットでは多種多様な案件を取り扱っており、例えば農業関連ではペルーの小規模じ御者を支援する目的のファンドを提供しています。
その他にも利回り10%を超える案件を多数扱っているので、海外案件に興味がある方は投資にチャレンジしてみると良いでしょう。
まとめ
ソーシャルレンディング関係の案件で海外の農業向けに相手に投資ことは、高い利回りを得られること、そして途上国の社会経済発展に寄与できることといったメリットがあります。
また融資先は分散されているので、実際にはリスクは高くなく着実に利益を得るのにも適しています。
一方で、日本国内の案件ではないだけにその国ならではのリスクや日本国内では考えにくい問題が発生する可能性もあります。
きっちりとリスクとリターンを天秤にかけて、投資先として妥当かどうか判断できるようになっていきましょう。