国内ソーシャルレンディング会社で募集実績1位を誇るソーシャルレンディングサイト、SBIソーシャルレンディングは、2021年2月5日に同社の運用中の案件において貸付先の企業において「重大な懸案事項」が発生していることを発表しました。
SBIソーシャルレンディングは事態解明のために第三者委員会を設置
SBIソーシャルレンディングの懸案事項の発生に伴い、一部報道機関では、返済遅延や貸し倒れが起こる可能性があるという、可能性も示されています。
事態の発生に伴い、SBIソーシャルレンディングでは、融資案件において公平性のある審査を行うための第三者委員会を設置するとしています。
第三者委員会で実施するのは主に以下の内容です。
- 社内調査により判明した本事案にかかる事実関係調査及び原因究明
- 再発防止策の検討・提言
- その他、第三者委員会が必要と認めた事項
第三者委員会の構成は以下となっています。
役職 | 氏名 | 所属等 |
委員長 | 錦野 裕宗 | 弁護士法人中央総合法律事務所 東京事務所副所長
社員弁護士パートナー |
委員 | 藤武 寛之 | リンクパートナーズ法律事務所 パートナー 弁護士 |
委員 | 海宝 明 | 株式会社サイリス 監査役(三和銀行(現三菱UFJ銀行)出身) |
今後の動向
今回の懸案事項においてはSBIソーシャルレンディングも第三者委員会の調査に積極的に協力し、事態の内容究明に努めるとしています。
またSBIグループの協力も得るとしており、大手金融グループとしての威信をかけた事態解明が行われることが期待されます。
SBIソーシャルレンディングでは過去にも4案件、総額2億円超の貸し倒れを発生させましたが、その際には担保を売却することで融資資金の9割以上の回収に成功しています。
今回の事案についてどのような結果になるのか、まずSBIソーシャルレンディングからの発表を待ち、当サイトでも随時お知らせしていきたいと思います。
2021年2月8日追記
Crowd CrossではSBIソーシャルレンディングに問い合わせた投資家の方とコンタクトを取り、SBIソーシャルレンディングから今回の第三者委員会設置について、どのような見解が示されているのかをお伺いしました。
その内容は
・特定のファンドにおいて、オペレーションについての問題が社内で指摘され、第三者委員会を設置し問題の究明に努めることになった。
・問題のあるファンドは特定されているが、その他のファンドについても第三者委員会による審査を実施し問題がないのかを確認している。
・問題のあるファンドについては第三者委員会を通じて公表していくため、現段階で公表することはできない。
第三者委員会の調査により明らかになった事実は速やかに公表を行う。
・問題が指摘されたファンドも、今月5日には配当金の振り込みは受けている。
15日の配当は問題なく行われる。
ということです。
第三者委員会の設置に行うことで、SBIソーシャルレンディング全体のオペレーションをもう一度見直し、融資先の監視体制の強化などを行う意向でしょう。
ただし、問題が含まれるファンドが特定されている以上、そのファンドがどのファンドなのか、という点においては投資家心理を鑑みるとまず速やかな事実の公表が望まれます。
SBIソーシャルレンディングでは、不動産担保ローン事業者への常時募集ファンドは、問題発覚以降も募集を続けています。
この融資先においては大きな問題が含まれている可能性は低そうです。
今後もCrowd CrossではSBIソーシャルレンディングの第三者委員会設置に伴う懸案事項について、調査を行っていきます。
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