ソーシャルバンクZAIZEN株式会社は、沖縄県初のソーシャルレンディング「Pocket Funding(ポケットファンディング)」を運営している企業です。
ポケットファンディングでは沖縄の案件を数多く取り扱っており、沖縄ならではの「軍用地」を担保としたファンドのほか、ファンドによっては沖縄の特産品をプレゼントするキャンペーンも実施しています。
今回はソーシャルバンクZAIZEN株式会社(以下、ソーシャルバンクZAIZEN)の代表取締役 松森 敦氏にお話を伺いました。
インタビューのなかで、軍用地担保ファンドの魅力のほか、ソーシャルZAIZENが重視する「案件のバランス」を知ることができました。
目次
ソーシャルバンクZAIZEN株式会社 代表取締役 松森 敦氏について
東京・横浜を中心に不動産・飲食等を19年以上経営しており、経営コンサルタントとしても活躍中。中小企業のオーナー社長の右腕として営業管理・資産運用の経験もある。
2011年東日本大震災を機にマレーシアに移住し、日本の富裕層向けに資産構築コンサルタント会社を立ち上げ。現在は現役投資家として、富裕層ビジネスや収益不動産投資を中心に行っている。
コロナ後の沖縄の不動産は底堅いニーズがある
不動産ソーシャルレンディング業界に進出された経緯を教えてください。
ソーシャルバンクZAIZENの親会社である財全グループは、沖縄県内で貸金業として27年目を迎え、沖縄に根ざし多くの企業様のサポートをしてきた実績があります。財全グループとしては、金融業2社、不動産業2社を含み計6社を抱えており、お互いの相乗効果を得るために、3年前に不動産ソーシャルレンディング業界に進出いたしました。
ソーシャルバンクZAIZENの強みは何でしょうか?
まず、27年間にわたり営んできた、貸金業で培った不動産担保ローンに関する知見・実績が豊富な点が大きな強みです。
またグループ内で不動産事業を展開しているため、他社に頼ることなく、自社グループ内で融資・審査・募集などソーシャルレンディングに関わる業務を完結できます。そのため、正確な情報をいち早くグループ内で共有でき、審査やファンド組成などに活かしています。
コロナ収束後の、沖縄不動産市況の見通しを教えてください。
3つの観点から、今後も沖縄の不動産は底堅いニーズがあると考えます。
- 各種調査によれば、沖縄は新型コロナウイルスの流行が落ち着いたら行きたい国内観光地として北海道と並び、最上位に挙げられている
- 出生率が全国で46年連続トップで、日本国内唯一の自然人口増の県。今後10~15年に渡り、人口増が見込まれている
- 為替が円安に振れた場合、外国人投資家からより多くの投資が見込まれる
とはいえ日本全体で見ると、今後数十年間は人口減が免れない状況です。引き続き厳しい審査を行い、安心して投資できる案件のみを投資家へ提供していきたいです。
ポケットファンディングの強みは「バランス」
ポケットファンディングの投資家層を教えてください。
35~60歳くらいの男性が多いです。投資額は案件にもよりますが、平均20~30万円程度です。
ポケットファンディングならではの、担保が軍用地の「軍用地担保ファンド」の魅力を教えてください。
「軍用地担保ファンド」は、担保力・流動性が抜群なため、堅実な投資案件と言えます。なぜ担保力が高いかと言うと「軍用地の借り主が日本政府」だからです。そのため地主からすると、必ず安定的に収益が入ります。そのため投資家から人気があり、市場の流動性も高くなっています。
強いて「軍用地担保ファンド」のデメリットを言うとすれば、リスクが低い分、利回りが低いことでしょうか。他社の利回り5%~8%などのファンドに比べると、「軍用地担保ファンド」の利回りは3%台です。
ただ利回りは低いですが、手堅い案件を求める投資家からの人気は高く、ポケットファンディングで最も早く募集金額が埋まってしまうファンドが「軍用地担保ファンド」です。
ポケットファンディング軍用地担保ファンド例:PF軍用地担保ファンド21号【一部不動産担保付】や
今まで配当遅延・元本割れをしてしまったことはありますか?
今まで配当遅延・元本割れをしたことはありません。堅実な実績を積み上げられている一つの要因に、常に私どもが「案件のバランス」を考え、運営をしている点が挙げられます。
「案件のバランス」とは、平均利回り・運用期間・1案件の募集金額・1月あたりの募集件数を、借り主・貸し主・投資家・運営企業のどこかに儲けが偏らないようにするということ。どこかに偏りのある案件にしてしまうと、結果的に投資家にも迷惑をかけてしまうからです。
実際、利回りを高く設定して投資家の利益を厚くした他のファンドのなかには、よく見ると遅延・遅配が多いものもあります。
「案件のバランス」はあまり数字には出てこないところではありますが、ポケットファンディングの大きな強みだと考えます。
ポケットファンディングでは「貸付額を担保評価額の70%に設定」している点も大きな特徴ですね。
軍用地など流動性が特に高い物件に関しては85%まで貸付けている案件もありますが、貸付額を担保評価額の70%にしている案件も多くあります。
リーマンショックのときでさえ、住宅価格は10%程度、都市中心部の商業施設の価格は30%程度の下落でした。当社の案件はレジデンスの案件が多いため、例えリーマンショックの2倍~3倍の規模のショックがあったとしても、投資家が損失を被る可能性は少ないでしょう。
ファンドによっては「沖縄の特産品がもらえる!うちな〜ま〜さむんキャンペーン」があります。どのようなキャンペーンでしょうか。
投資家へ、沖縄地産の特産品をプレゼントするキャンペーンです。例えば2020年夏はマンゴーをプレゼントしました。
このキャンペーンでは地元企業を応援するためにも、製造工場を含め、全て沖縄で生産されたものをプレゼントしています。今後は沖縄の若手作家・芸術家などが創る作品もプレゼントできたら良いなと考えています。
今後は寄付・購入型クラウドファンディングも提供したい
審査メンバーや審査プロセスを教えてください。
銀行や証券業界で実績を残してきたメンバーが中心となって、審査をしています。貸金業を27年間やっていますが、どのメンバーも長年活躍している人ばかりです。
また、審査では案件として担保力・流動性があるかをスクリーニングした上で、万が一何かあったときに売れないと判断したものは、ファンド化しないようにしています。
私自身、長年全国の投資案件を取り扱ってきた経験もあり、よく出張して地方の不動産を見に行きます。そのため、路線価や公示価格といった国が公表している価格と、マーケット価格が乖離しているのが肌感覚でわかっているんですね。その分、案件の審査は厳しくチェックできていると考えます。
ファンドの運用状況に関するレポートは送られてきますか?
原則四半期に1回、3月、6月、9月、12月末付けでその間のお取引内容およびファンド残高等の情報を記載し、翌月に電子交付しています。
案件にはなったものの、不動産価格が実際のマーケット価格と乖離していないか、取引の実績ベースで遅延・遅配がないかなどをレポートしています。
今後取り組んでいきたいサービスがあれば教えてください。
寄付・購入型のクラウドファンディングにも取り組んでいきたいと思っています。沖縄の貧困率は世代を超えて続いており、ワーキングプア率は18.3%と、全国平均の2倍の数字です。貧困率そのものも34.8%と全国平均の18.3%より高いです。
沖縄の貧困に関する課題は、安易に解決できるとは思っていませんが、寄付・購入型のクラウドファンディングを通して、少しでも力になれれば良いなと思っています。
最後に「Crowd Cross」の読者へメッセージをお願いします。
どうしても普通預金や定期預金をしている人と、投資している人との差は開いてしまいます。
その点、ポケットファンディングは株式投資や仮想通貨のように短期間で2・3倍になるような商品ではありませんが、5~10年程度をかけて、ジックリ資産を増やすには最適な投資先です。例え少額であっても、投資をすることで知識も付けられます。まずは口座を開いて投資をしてみてはいかがでしょうか?
編集後記
民間企業として利益を求めるのは当然ですが、加えて松森氏自身から「沖縄の課題に少しでも貢献したい」という姿勢を強く感じました。そのことを松森氏に伝えると「言っているだけでは簡単。地場で動いている企業として、実際に動いて力になりたい」という返事をいただきました。「うちな〜ま〜さむんキャンペーン」のほか、これから寄付・購入型クラウドファンディングも取り扱う予定とのことで、実際に動き出されています。
また、ポケットファンディングでは沖縄だけではなく、兵庫県や神奈川県の案件も取り扱っています。もし沖縄の案件に投資をしていなければ、地域分散の視点から、一部ポートフォリオに組み込んでみても良いのではないでしょうか。もちろんポケットファンディングの沖縄以外の案件も魅力的ですよ!