不動産投資クラウドファンディングサイト「KOZUCHI」で、新案件「品川駅前 再開発エリア3区分レジファンド 」が2021年9月15日から募集開始予定です。
2021年9月1日にWARASHIBEがCOZUCHIにリニューアルされますが、リニューアル後の第2弾の案件となります。
そこでこのページでは、
- 案件の概要
- 対象物件の特徴
などを詳しく解説します。
どのような案件なのか、詳しく見ていきましょう。
目次
案件「品川駅前 再開発エリア3区分レジファンド」の概要
まず、この案件の概要は以下の通り。
- 想定利回り(年利) 10%
- 出資期間 7年(2021年10月1日~2028年9月30日)
- 応募期間 2021年9月15日19:00~2021年9月21日13:00
- 応募方式 抽選
- 最低投資金額 1口1万円
- 配当予定実施日 1回目2022年10月末、その後2028年まで毎年10月末の計7回
想定利回りは10%(インカムゲイン3%+キャピタルゲイン7%)となっていますが、この案件はインカムゲイン重視型です。後述しますが、賃料収入補償により安定的な配当が見込めると想定しているからです。
さらに、対象物件の将来価値上昇によるキャピタルゲイン(物件の売却益)も期待されています。
なお今回のファンドでは、一般募集とは別に、LAETOLI株式会社(このファンドの販売会社)が5,000万円の優先出資を行う予定とのことです。
出資期間が長い
出資期間2か月~1年の案件が多いWARASHIBEでは珍しく、この案件は出資期間が7年(過去最長)とかなり長いです。
出資期間が長いことで敬遠する投資家も出てきそうですが、
- 対象物件は大規模再開発エリアに所在
- 再開発事業で対象物件は解体され、2027年に新築レジデンス完成予定
などの理由があるので、時間がかかるのは仕方ないですね。
再開発事業(高輪三丁目品川駅前地区市街地再開発事業)の予定については、以下の通りです。
WARASHIBEには独自の換金制度(事務手数料=投資額の税込3.3%)もありますし、新たな換金制度(セカンダリーマーケット)も準備中とのことなので、途中解約も可能です。ほかの不動産投資クラウドファンディングサービスでは基本的に途中解約はできないので、WARASHIBEのこれらの制度はありがたいですね。出資期間が長くても安心です。
また後述しますが、賃料収入補償の可能性があり7年にわたって安定的な配当を見込めるとしています。投資で案件探しなどの手間を省きたい人にとっては、長い出資期間はメリットかもしれませんね。
対象物件は再開発エリアのレジデンス3区分
この案件の対象物件は、品川駅から徒歩4分のマンション3室です。マンション3室は、品川駅西口再開発エリアに所在しているため、再開発により将来的な資産価値の上昇が見込めるとのこと。
現在の対象物件は築53年と古いのですが、品川駅から徒歩4分と好立地であり利便性も高いので、再開発前でも空室リスクは低いと想定しているようです。
品川駅西口再開発エリアは、高輪三丁目品川駅前地区市街地再開発事業(敷地面積約17,000㎡の大規模再開発事業)で再開発される予定のエリアです。延床面積約193,000㎡で、事務所・店舗・住居・駐車場からなる複合的な用途の建物を計画しているとのこと。
権利変換で、対象物件と同等面積の新築不動産が提供される
この再開発事業では、収用(※)される不動産の権利者に対して「権利変換」という提供が行われる予定とのこと。
(※「収用」とは簡単に言うと、再開発のために必要となる土地・建物などを、施工者が補償金を支払って取得すること)
そして「権利変換」とは、「権利者の所有する土地や建物などの資産(従前資産)を、新しい再開発ビルの敷地と床(従後資産)に置き換えること」です。
従前資産と従後資産の価格は、原則として同じ(等価交換)。
ファンド概要には、「WARASHIBEが所有する不動産は3室(合計61.51坪)となり、それと同等面積の新築不動産が提供される」と記載されています。
対象物件は160万円/坪で仕入れたそうですが、このエリアの新築マンションの相場は約580万円/坪~約680万円/坪(2021年7月時点)だそうです。
下図のWARASHIBEの試算によると、最低でも坪単価120万円で売却できれば、投資家に損失が発生することはありません。
再開発事業が予定通りに進まない可能性などもありますし、対象物件の資産価値が必ず上がるという保証もありませんが、坪単価120万円よりも低い価格で売却する可能性はかなり低いと考えられます。そのため、キャピタルロスが出るリスクは低いと言えるでしょう。
WARASHIBEは不動産投資クラウドファンディングサービスの中では珍しく、リターンに上限を設けない方針です。そのため、キャピタルゲインの18%相当額を上限なしに投資家に分配するとのこと。売却価格が上がれば配当も増えるので、WARASHIBEの頑張りには期待したいですね。
なお、再開発にかかる資産価値上昇を見込んで、都市計画決定後は購入希望者が殺到するとのこと。条件によっては権利変換を待たずに早期売却、償還となる可能性もあるそうです。
もし運用期間中に売却しなかった場合は、インカムゲインのみの想定利回り3%を上限に配当を行うとしています。
再開発によって、資産価値上昇の可能性がある
WARASHIBEによると、再開発物件は収用や権利変換が行われることで、利益が想定しやすい物件として価値が上がっていくそうです。
再開発が進んだエリアは、住みやすさや利便性などが向上した、より魅力的で整備された街になっているので、
- 再開発による整備や様々な施設の増加など、街の活性化により不動産価値が上昇
- 人口増加が予想されるので、賃貸ニーズも上昇
などが期待できると言えます。
またこの再開発事業と合わせて、品川駅から再開発事業地までペデストリアンデッキ(高架で設置された歩行者専用通路)が整備される計画となっており、品川駅周辺の利便性はより高まりそうです。
賃料収入補償の可能性がある
WARASHIBEによると「再開発事業がスタートし、建物が解体される期間は、再開発事業組合から現在の賃料を前提とした補償がされることが一般的」とのことで、「建物取壊し後も安定的な配当の可能性がある」としています。
この「賃料収入補償」とは、再開発事業の補償の中でも「97条補償(都市再開発法97条に規定)」と呼ばれる補償のことかと。簡単に言うと「再開発のために土地や建物を明け渡すことで様々な支出負担が強いられるが、その支出負担を補填するために支払われる補償金」のことです。
なお、都市再開発法の第97条に「損失の補償額については、施行者と前条第一項の土地の占有者又は物件に関し権利を有する者とが協議しなければならない」と定められています。
参考:https://elaws.e-gov.go.jp/document?law_unique_id=344AC0000000038_20200401_430AC0000000072
「現在の賃料を前提とした補償がされることが一般的」という記載があるので、今後両者で協議を行い、補償金額を決めるということなのでしょう。
「施行者は、(中略)土地の占有者及び物件に関し権利を有する者が通常受ける損失を補償しなければならない」とも法律で定められているので、必ず補償はあります。補償金額については現時点では不明ですが、「現在の賃料を前提とした補償がされることが一般的」ということなので、7年間にわたり安定的な配当が見込めると想定しているのでしょう。
まとめ
不動産投資クラウドファンディングサイト「WARASHIBE」で、2021年9月15日から募集開始予定の新案件「品川駅前 再開発エリア3区分レジファンド」。
- 想定利回り(年利) 10%
- 出資期間 7年
- 応募期間 2021年9月15日19:00~2021年9月21日13:00
- 応募方式 抽選
- 最低投資金額 1口1万円
対象物件は、再開発エリアに所在するマンション3室です。
この案件の特徴をまとめますと、以下のようになります。
- 出資期間が7年と、WARASHIBEの案件の中では過去最長
- 大規模再開発案件なので、7年という時間がかかる
- 対象物件は再開発エリアに所在するため、将来的に権利変換される可能性がある
- 権利変換では、対象物件と同等面積の新築不動産が提供される予定
- 再開発によって、対象物件の将来的な資産価値が上昇する可能性は高い
- 賃料収入補償で、安定的な配当が見込める可能性がある
7年の長期案件ですが、独自の換金制度で途中解約が可能なほか、新たな換金制度(セカンダリーマーケット)も準備中とのことなので、流動性リスクは低くなっています。
対象物件は、品川駅から徒歩4分と好立地で利便性も高いため、再開発工事前も賃貸ニーズは高く、空室リスクは低めと想定しているようです。再開発で建物が解体された後も賃料収入補償で安定的な配当が見込める可能性があるため、運用中は予定通り配当される可能性が高いでしょう。
また、再開発によって対象物件の価値が必ず上昇するという保証はありませんが、仕入れ時の坪単価や近辺の新築レジデンスの坪単価を見ると、物件売却時に損失が発生する可能性は低いと推察されます。WARASHIBEの頑張りによっては、配当が増えるかもしれません。
「品川駅前 再開発エリア3区分レジファンド 」は長期間、安定的な配当が見込める可能性のある案件なので、人気が出ると考えられます。募集方法が先着順ではなく抽選という点もありがたいですね。
この案件は、物件の詳細などがまだ公表されていないので、今後の発表には注目です。