2021年3月10日にHPを公開した新しい不動産投資クラウドファンディングサイト「victory fund(ビクトリーファンド)」。
victory fundでは多様な不動産に投資できるとしており、投資対象は不動産・金融のプロが厳選した物件です。運営会社は1997年から不動産業を営んでおり、バリューアップ事業を手がけるなど実績は豊富なようです。
また、優先劣後システムで投資家のリスクが軽減されているなどのメリットも。
このページでは、
- victory fundとは
- victory fundの仕組み
- victory fundの特徴
- 第1号案件の内容と募集開始時期
- victory fundのキャンペーン情報
- victory fundでの会員登録の流れ
などを詳しく解説していきます。
目次
victory fund(ビクトリーファンド)とは
victory fundは、カチデベロップメント株式会社が運営する不動産投資クラウドファンディングサイトです。
2021年3月10日にHPを公開し、HP公開と同時に会員登録の受付を開始しました。初号案件の詳細や募集開始日時はすでに発表されています。その利回りの高さから、人気が出てクリック合戦になるかもしれません。
victory fundの今後にも注目ですね。
victory fundの仕組み
victory fundの仕組みについては、まず以下の図をご覧ください。
流れはほかの不動産投資クラウドファンディングサイトとほぼ変わらず、以下のようになります。
- 投資家はvictory fundに出資
- 出資金をもとにvictory fundが運用対象の不動産を取得
- 対象不動産を賃貸し、運用益(賃料収入または売却益)を得る
- 得られた利益から、投資家に配当+元本償還を行う
運用方針には大きく分けて、賃料収入をベースに運用を行う「インカムゲイン型」と、売却益を想定して運用を行う「キャピタルゲイン型」の2通りがあるとのこと。
一般的に、インカムゲイン型では空室リスクなどはありますが、安定した配当が期待できます。一方、キャピタルゲイン型はうまく売却できれば利益は大きいですが、利益が出るかどうかはカチデベロップメント社の目利き次第と言えます。
ご自分にあった運用方針の案件を選びましょう。
投資対象には多様な不動産を予定
運営会社は、オフィスビルやレジデンスに限らず、商業施設やホテルなどのオペレーショナルアセット(※)も取り扱っています。また、開発事業も行っているため、victory fundでは多様な不動産に投資できるとしています。
(※オペレーショナルアセットとは、賃借人等が対象不動産を運営することにより、事業収益を生み出す事業用不動産のこと。施設運営の巧拙によって収益が変動するため、オフィスや住宅などのノンオペレーショナルアセットより運営難易度が高い)
運営会社は東京エリアの物件を中心に扱う不動産業者なので、投資対象はおそらく都内の不動産でしょう。
不動産投資クラウドファンディングでは、分散投資でリスクを減らすことが重要とされているので、運用する不動産の種類を増やすことも大切。その点、victory fundでは対象不動産の種類が多い予定なので分散投資が容易になります。
victory fundの特徴
victory fundには、
などの特徴があります。
1口1万円から投資可能
victory fundでは、1口1万円から投資できます。
一般的に、不動産投資を行うにはある程度まとまった資金が必要ですが、victory fundを利用すると少額で不動産投資を始められます。
気軽に投資を始められる上、少額で投資できるのでリスクを減らせるメリットもあります。
なお初号案件を見ると、1口1万円ですが、最低募集金額が10万円となっているので、「victory fundの最低投資金額が1万円」という意味ではなさそうです。
最低投資金額が1万円の不動産投資クラウドファンディングサイトは多いので、できるだけ少額で投資を始めたい人には不向きかもしれません。
ほったらかしで不動産投資ができる
ほかの不動産投資クラウドファンディングサイトと同じく、victory fundを利用すれば不動産を所有することなく不動産投資ができます。
また、不動産投資では物件選びや契約などで時間がかかってしまうデメリットがありましたが、victory fundなら全ての手続きがオンラインで完結します。さらに、数クリックで投資が完了するのでお手軽です。
実物の不動産を取得した際には、以下のような関連実務も必要でしたが、victory fundを利用すれば不要です。
- 修繕
- 入居者の募集
- 固定資産税などの税金の支払い
- 建物管理
いったん案件に投資すると、後は配当と元本償還を待つだけなので、忙しい人でも不動産投資が始められます。
優先劣後システムでリスクを軽減
多くの不動産投資クラウドファンディングサイトで導入されている優先劣後システムを、victory fundでも採用しています。
優先劣後システムには、以下のような特徴があります。
- 対象不動産に投資家とvictory fundがどちらも出資
- victory fundは、おそらく不動産価値の20%ほど(割合は不明)を出資
- 損失が発生した場合は、victory fundが優先的に負担
- 利益は、投資家に優先的に分配
例えば、
- 空室や修繕費の発生により家賃利益が減少した場合
- 物件売却時に売却価格が出資総額を下回った(不動産評価額が下落した)場合
などに、victory fundが損失を優先的に負担する仕組みです。
なお優先劣後システムは投資家のリスクを軽減する仕組みですが、「元本割れしない」と保証するものではありません。劣後出資割合(victory fundが出資する割合)を超える損失が発生した場合には、元本は毀損します。
victory fundの劣後出資割合については、まだ公表されていません。一般的に、不動産投資クラウドファンディングでは劣後出資割合が20~30%のケースが多いので、この数値を目安にすると良いでしょう(劣後出資割合が高いとそれだけ投資家のリスクが減る)。
運営会社は未上場
運営会社は、不動産のバリューアップ事業を手掛けるカチデベロップメント株式会社です。
前身は1997年に設立されたマザーポート株式会社で、2019年にカチデベロップメント株式会社へと名称を変更しています。
カチデベロップメント社の基本的な情報は以下の通り。
会社名 | カチデベロップメント株式会社 |
設立年月日 | 1997年7月7日 |
代表取締役 | 足立 和夫 |
資本金 | 1億3,425万円 |
業務内容 | 不動産のバリューアップ事業 |
カチデベロップメント社は不動産物件の仕入れから開発、販売までを一気通貫で行える強みを活かし、これまで都内の不動産を中心に売買とバリューアップ事業に取り組んできたそうです。そのため、東京エリアの物件情報を豊富に有しているとのこと。
さらに、不動産業界、⾦融業界、IT業界のプロフェッショナルの採⽤を強化し、堅実かつ先進的な不動産ストックビジネス(※)の構築に注力してきたとしています。
(※不動産ストックビジネスとは、簡単に言うと「不動産を再生・活用し、その不動産を核として、まちづくりに役立つ新たな付加価値やサービスを提供する事業」のこと)
そのため、victory fundの運営会社は「不動産・金融のプロ」と言えるでしょう。
また、カチデベロップメント社のバリューアップ事業は、物件の取得からバリューアップ工事に少なくとも数億円の投資が必要だったそうです。そのため、これまでは一部の事業者・投資家しか投資できなかったとのこと。
そこで、今後は不動産投資クラウドファンディングを利用し、不動産・金融のプロフェッショナルが選定した不動産収益物件に小口投資できる機会を提供していくとしています。
ただ、上場企業が運営している不動産投資クラウドファンディングサイトと比べると、信頼性は低いと言わざるを得ないでしょう。
出金手数料が分配・償還の度にかかる
victory fundでは、分配金や償還金は、登録した銀行口座に直接振り込まれるとのこと。
その際の出金手数料は投資家負担なので、分配金や償還金をもらう度に出金手数料がかかることになるようです。なお、「出金手数料はどの銀行口座を利用するかによって異なる(出金手数料の金額は不明)」としています。
そして、分配の回数や、いつ分配金や償還金がもらえるのかはファンドによって異なります。
分配・償還の回数が多いほど、出金手数料が増えることになるので、ファンドによっては出金手数料の負担が多くなりそうです…。事前に分配・償還について確認しておくと良いですね。
なお入金手数料については、ほかの不動産投資クラウドファンディングサイトと同じく、投資家負担です。楽天銀行や住信SBI銀行などを利用すれば、条件によって他行宛振込手数料が無料になるので、入金手数料を無料にできますよ。
第1号案件は2021年3月22日から募集開始予定
「victory fund第1号ファンド(浅草1丁目商業ビル投資ファンド)」の募集は、2021年3月22日からを予定しているとのこと。
3月10日にHP公開→同月22日から募集開始と、初号案件の募集はかなりスピーディーです。
そして、募集金額が2億7,500万円といきなりの大型案件ですが、想定利回り(年利)は9%とかなり高いので、クリック合戦になるかもしれませんね。
初号案件の詳細情報は、運営会社のHPで公開されています。
参考:https://kachi-dev.com/news/20210309/
物件概要や工事内容だけでなく、不動産鑑定評価書の内訳なども記載されているのでありがたいですね。
初号案件募集開始を記念してキャンペーンを開催
第1号案件募集の開始を記念して、キャンペーンを開催するとのこと(キャンペーン情報は、サイトではなく運営会社のHPに記載)。
開催されるキャンペーンは、以下の2種類。
- Victory fund ローンチ記念(Amazonギフト券1,000円分をプレゼント)
- 第1号ファンド募集開始記念キャッシュバックキャンペーン
②の「第1号ファンド募集開始記念キャッシュバックキャンペーン」では、第1号案件への投資金額によってキャッシュバック率が異なります。
投資金額 | キャッシュバック率 |
50万円以上 | 投資額の0.5% |
100万円以上 | 投資額の1% |
200万円以上 | 投資額の1.5% |
例として、「投資額200万円の場合→3万円」と記載されているので、victory fundへの投資に使える現金がプレゼントされるのではと考えられます。
今の所、キャンペーンの対象になるのは初号案件のみのようです。開催期間については不明ですが、初号案件の募集が終了すると同時にキャンペーンも終了するのではと推察されます。
初号案件は利回りも高いですし、キャンペーンも開催されるので、このチャンスは見逃せませんね。
victory fundでの会員登録の流れ
ここからは、victory fundでの会員登録の流れを解説していきます。
なお、選択した本人確認方法によって、③と④の順番は前後します。
①会員仮登録
まずは会員仮登録を行います。
HP右上の「会員登録」をクリックするか、「ご利用の流れ」ページの「会員登録はこちら」をクリックしましょう。
「会員登録」をクリックすると、以下のような「会員仮登録」のページに移ります。
ページの案内に従って、メールアドレスやパスワード、秘密の質問などを入力していきます。
新案件の案内などがおそらく届くので、「メールマガジン登録」は「登録する」を選択した方が良いでしょう。
「会員仮登録を完了する」をクリックすると、登録したメールアドレス宛に「【Victory Fund】会員仮登録完了のお知らせ」というメールが届きます。
メールには会員本登録のURLが記載されているので、24時間以内にURLをクリックして会員本登録を行いましょう。
②本人確認方法の選択
次に、本人確認方法を
- スマートフォンを利用したオンライン認証
- はがき郵送による本人確認
から選びます。
「スマートフォンを利用したオンライン認証」の場合の対応券種は、以下の通り。提出に必要な書類は1点です。
「はがき郵送による本人確認」の方が、対応券種の種類は多いです。必要な書類は2点。
「はがき郵送による本人確認」では、はがきの発送までに1週間ほどかかる場合があるので、スマートフォンによる認証の方が早いですね。
③本人確認書類の提出
本人確認書類の提出を行います。
なお、「はがき郵送による本人確認」の場合、本会員登録を先に行い、本人確認書類の提出は最後になります。
それぞれの本人確認方法を見ていきましょう。
スマートフォンを利用したオンライン本人確認サービス
「スマートフォンを利用したオンライン認証」は、ページに表示された「proost」ボタンをクリックするとQRコードが表示されるので、スマートフォンで読み取りましょう。
proost(プルースト)とは、セブン銀行と電通国際情報サービスの合併会社ACSiON(アクシオン)が提供するオンライン本人認証サービスです。
proostを利用するには、
- 本人確認書類
- メールとSMSを受け取れるスマートフォン
が必要です。
proostの案内に従い、メールアドレスでアカウント登録またはログインを行いましょう。
次に、認証コードが届く携帯電話番号を入力します(アカウント登録の場合)。
そして使用する身分証明書を選択し、カメラを起動します。
使用できる身分証明書は、以下のいずれかです。
- 運転免許証/運転経歴証明書
- 在留カード/特別永住者証明書
- マイナンバーカード
カメラを起動すると、まずは自分の顔写真を撮影します。
次に、自分の顔と身分証明書を同時に撮影します。
その後、身分証明書のみをカメラで撮影します。
最後に、氏名や住所などの個人情報を入力します。
これでオンライン認証は完了です。
victory fundにおける本人確認が完了すると、登録したメールアドレス宛に「[proost]お手続き完了のご連絡」というメールが届きます。
はがき郵送による本人確認
「はがき郵送による本人確認」では、本人確認書類2点をアップロードして提出します。
提出できる本人確認書類は以下の通り。
その後に行われる審査に合格すると、本人確認コードが記載されたハガキが届きます。ハガキを受け取ったら、案内に従って本人確認コードを入力しましょう。
④本会員登録
ここからは、本会員登録を行います。
なお「スマートフォンを利用したオンライン認証」で本人確認を行った場合、氏名、生年月日、住所、電話番号などはすでに記入されています。
記入する内容が多いので、ページ右に表示されている「一時保存」を利用すると良いでしょう。
住所は全て全角なのでご注意を。
ここで記入する銀行口座は、分配金や償還金の出金先となる口座です。
なお金融資産とは、現金や預貯金だけでなく、株式、投資信託、債権(社債や国債など)、生命保険(掛け捨ては除く)なども含みます。
必ず余剰資金で投資するようにしましょう。
外国PEPsとは「Politically Exposed Persons (重要な公的地位を有する者) 」の略で、簡単に言うと「海外で要職についている人やその家族」です。
問題なければ、「内容に同意の上、本会員登録を完了する」をクリックしましょう。
一般的に、この後は登録完了メールが届くものなのですが、victory fundでは登録完了メールは送られてこないようなので、メールが届かなくても問題ありません。
この後の流れは、以下のように、選択した本人確認方法によって異なります。
- スマートフォンを利用したオンライン認証 → メールで審査結果が届く
- はがき郵送による本人確認 → 審査に通過するとはがきが届く
どちらの場合も、本人認証コードの入力が必要です。
まとめ
2021年3月10日にHPを公開した新しい不動産投資クラウドファンディングサイト「victory fund(ビクトリーファンド)」。1口1万円と、少額から不動産投資が可能です。
運営会社は、不動産・金融のプロであるカチデベロップメント株式会社。不動産のバリューアップ事業を営んでおり、実績は豊富のようです。投資対象には、多様な不動産を想定しているとのこと。
また、ほかの不動産投資クラウドファンディングサイトと同様、victory fundでも優先劣後システムを採用しており、投資家のリスク低減を図っています。
初号案件の募集開始は2021年3月22日を予定しているとのこと。利回りが高い上、初号案件募集開始を記念してキャンペーン(Amazonギフト券1,000円分プレゼント+キャッシュバック)も開催されるので、このチャンスは見逃せませんね。
会員登録で「はがき郵送による本人確認」を選ぶと、はがきの発送までに1週間ほどかかる場合があるので、興味がある方は早めに登録申請しておくと良いでしょう。