iRD(イルド)はどんなサービス?全案件がマスターリース方式で低リスク!

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2021年4月12日にリリースされた、新しい不動産投資クラウドファンディングサイト「iRD(イルド)」。

投資対象となるのは、マンション経営のプロが選んだ、賃貸需要が高い都心のマンションです。運営会社は1997年から資産活用事業を営んでおり、代表取締役は関連書籍を出版するなど、実績や知識は豊富なようです。

また、優先劣後構造で投資家のリスクを軽減しており、劣後出資割合(iRDの出資割合)は原則40%と高め。劣後出資割合が高いと、それだけ投資家のリスクを減らせるメリットがあります。

その上、マスターリース契約でさらにリスクの低減を図るなど、投資家には魅力的です。

このページでは、

などを詳しく解説していきます。

iRD(イルド)とは

iRD(イルド)とは、JRD株式会社が運営する不動産投資クラウドファンディングサイトです。

2021年4月12日にHPを公開し、同月26日には、1号案件と2号案件の募集を同時に開始(2021年5月23日まで募集中)。どちらも応募倍率は130%を超える(抽選方式)など、人気が高いようです。

iRDの今後に注目したいですね。

iRDの仕組み

iRDの仕組みについては、まずは以下の図をご覧ください。

流れはほかの不動産投資クラウドファンディングサイトとほぼ変わらず、以下のようになります。

  1. 投資家はiRDに出資
  2. 出資金をもとにiRDが運用対象の不動産を取得
  3. 対象不動産を賃貸し、運用益(賃料収入+売却益)を得る
  4. 得られた利益から、投資家に配当+元本償還を行う

運用益は主に賃料収入ですが、運用期間中に物件の売却があった場合は売却益も得られる可能性があります。

投資対象は賃貸需要の⾼い物件

iRDでの投資対象は、賃貸需要が高い都心のマンションです。

主に、JRD株式会社が展開する都市型マンション「セジョリシリーズ」が対象になるかと。

iRDによると、東京では単身者が年々増加しているため、将来的にわたってもワンルームマンションの需要は高まると予測しているとのこと。

そのため、投資対象のマンションには以下のような特徴があるとしています。

  • 23区内の駅から徒歩10分以内と、利便性が高い
  • 設備が良く、資産価値が高い

なお、新型コロナウイルスの影響が懸念されますが、アットホーム株式会社が発行した「全国主要都市の賃貸マンション・アパート募集家賃動向」によると、コロナ禍でも首都圏の家賃動向は底堅い様子。

参考:https://athome-inc.jp/wp-content/themes/news/pdf/chintai-yachin-202103/chintai-yachin-202103.pdf

東京23区のシングル向きマンションの平均家賃は2020年3月から下落しましたが、2020年11月を期に上昇傾向にあるようです。

iRDの特徴

iRDには、

などの特徴があります。

1口10万円から投資可能

iRDでは、1口10万円から投資できます。スキームコストを下げて予定利回りを高くするために、最低投資金額を10万円に設定しているそうです。

一般的に、不動産投資を行うにはある程度まとまった資金が必要ですが、iRDを利用すると少額で不動産投資を始められます。

なお、初号案件「iRD匿名1号 セジョリ奥沢」では1口100万円となっていました。

2号案件では1口10万円なので、より気軽に投資してもらうために最低投資可能金額を変更したのかもしれません。少額で投資できると、リスクを減らせるメリットがあります。

ただ、最低投資金額が1万円の不動産投資クラウドファンディングサイトは多いので、できるだけ少額で投資を始めたい人には不向きかもしれません。それでも一般的な不動産投資より遥かに少額で始められるので、ボーナスなどまとまった収入が入ったときなら始めやすそうです。

利回りは平均的で、運用期間は短め

これまでに2案件が募集されていますが、予定利回り(年利)は5.6%と5.8%です。

予定利回り(年利)3~6%ほどの不動産投資ラウドファンディングサイトが多いので、iRDの案件は平均的と言えるでしょう。

また、運用期間はいずれも3か月と短め。新型コロナウイルスの影響で先行きが不透明な中、短期案件にも投資できるのはありがたいですね(一般的に、運用期間が短いほど不動産市況の変動の影響を受けにくいため、リスクは低いとされている)。

分配金の受け取りは運用終了後

分配金は運用終了後にまとめて支払われるようなので、「分配金を早くもらって再投資に回し、複利効果を最大限得たい」という人には向いていないかもしれません。

ただ、運用期間が短いのでそれほど気にならないかと。iRDに限らず不動産投資クラウドファンディングでは基本的に中途解約できませんが、換金性のデメリットをカバーするため、あえて運用期間を短めにしているようです。

iRDのメリット

iRDで投資するメリットには、

  • ほったらかしで不動産投資ができる
  • 優先劣後方式でリスクを低減
  • 出金手数料が無料
  • 募集方式は抽選式

などがあります。

ほったらかしで不動産投資ができる

ほかの不動産投資クラウドファンディングサイトと同じく、iRDを利用すれば不動産を所有することなく不動産投資ができます。

また、実物の不動産を取得した際に必要な固定資産税などの税金の支払いや、入居者の募集、建物の管理なども必要ありません。案件に投資した後は配当と元本償還を待つだけなので、多忙な人でも気軽に不動産投資が始められます。

 優先劣後構造でリスクを低減

多くの不動産投資クラウドファンディングサイトで導入されている優先劣後出資構造を、iRDでも採用しています。優先劣後構造の主なメリットは、不動産売却時の価格下落リスクが軽減されることです。

優先劣後構造には、以下のような特徴があります。

  • 対象不動産に投資家とiRDがどちらも出資
  • iRDは、不動産価値の40%ほど(割合は案件によって異なる)を出資
  • 物件売却時に損失が発生した場合は、iRDが優先的に負担
  • 利益は、投資家に優先的に分配

万が一、運用期間中に対象物件の売却があり損失が発生した場合、iRDが優先的に損失を負担する仕組みなので投資家のリスクは低減されています。

例えば劣後出資割合(iRDの出資割合)が40%の場合、以下の図のように、不動産評価額の下落幅が40%以内(図では1,200万円まで)なら元本は欠損しません。

ただし、優先劣後システムは「元本割れしない」と保証するものではありません。劣後出資割合を超える損失が発生した場合(図では1,200万円を超えると)、元本は毀損します。

一般的に、不動産投資クラウドファンディングでは劣後出資割合(事業者が出資する割合)が20~30%のケースが多いのですが、iRDでは原則40%前後と高く設定しています。

実際の案件の劣後出資割合を見てみると、

  • 1号案件 50%
  • 2号案件 44.9%

となっています。

劣後出資割合が高いとそれだけ物件売却時の投資家のリスクが減るので、高い劣後出資割合はiRDの大きなメリットです。

ただ、公式サイトには「万一運用期間中に対象物件の売却があったとしても」という記載があるので、運用期間中は基本的に売却しない方針のようです。そのため、ほかの不動産投資クラウドファンディングサービスと比べると、優先劣後構造のメリットは少ないかもしれません。

 マスターリース契約でさらにリスクを軽減

iRDでは優先劣後構造に加えて、「貸借人とJRDグループがサブリース契約を締結した物件」を投資対象としているため、さらにリスクが軽減されています。

一般的にサブリース契約とは、不動産会社がオーナーから物件を一括して借り上げ、第三者の貸借人(入居者)に転貸する仕組みのことです。

そしてマスターリース契約とは、不動産を第三者に貸し出すことを目的として、不動産会社がオーナーから物件を一括して借り上げる賃貸借契約のこと。不動産会社は物件のオーナーに代わって賃貸経営を行い、オーナーに対して毎月固定の賃料を保証します。

つまりiRDでは、

  • マスターリース契約 JRDグループ会社が対象物件を一括で借り上げる
  • サブリース契約 JRDグループ会社が入居希望者に対象物件を貸し出す

となっています。

JRDグループ会社が一括借り上げするので、投資家は入居率の影響を受けることなく、安定的に分配金を受け取れます。さらに、空室リスクや家賃滞納リスクなどを回避できるメリットも。

iRDの案件に保証はありませんが、配当原資は不動産の賃貸収入であるため、マスターリース契約で投資家への配当を保証しているようなものです。

そしてiRDでは「サブリース契約を締結済みの物件」が投資対象となっているので、全ての案件で、マスターリース契約により賃料が保証されていることになります。一般的に、ほかの不動産投資クラウドファンディングサイトでもマスターリース方式の案件はありますが、全ての案件がマスターリース方式というのは珍しいです。

優先劣後構造に加えてマスターリース方式なので、リスクはかなり低いと言えるでしょう。

ただし、賃借⼈またはJRDグループ会社が倒産するなどした場合には収益に悪影響を与えるおそれがあるので、「マスターリースだから元本割れしない」というわけではありません。その点はご注意ください。 

出金手数料が無料

iRDでは、出金手数料は無料です。

出金手数料が有料の不動産投資クラウドファンディングサイトは多いので、無料はありがたいですね。

なお入金手数料については、ほかの不動産投資クラウドファンディングサイトと同じく、投資家負担です。楽天銀行や住信SBI銀行などを利用すれば、条件によって他行宛振込手数料が無料になるので、入金手数料を無料にできますよ。

 募集方式は抽選式

公式HPの「ご利用の流れ」を見ると、「出資申し込み後に抽選が行われる」と記載されているため、iRDの募集方式は抽選式だと推察されます。

これまでに募集された2案件は応募倍率がどちらも130%を超えていることもあり、先着順では投資できるかどうか分かりません。しかし抽選式だと、クリック合戦に参加しなくても、当選すれば投資できるようになっています。

 iRDのデメリット

iRDで投資する上でのデメリットは、

  • 実績が少ない
  • 運営会社は未上場
  • 投資する度に入金する必要がある

などです。

実績が少ない

iRDでは、2021年4月26日に1号・2案件の募集が開始され、どちらも翌月の5月23日まで募集するとしています。

つまり、まだ運用前の案件しかないため、運用に関しては未知数と言えるかと(2021年5月19日時点)。ただ、1号・2号案件ともに応募倍率が130%を超えているので、人気はあるようです。

iRDの今後に期待したいですね。

 運営会社は未上場

iRDの運営会社は、JRD株式会社です。

JRD社の基本的な情報は以下の通り。

会社名 JRD株式会社
設立年月日 1997年5月29日
代表取締役 佐藤 満
資本金 1億円
事業内容 資産活用(マンション事業・賃貸管理)
グループ会社
  • Jコミュニティ株式会社
  • J-World Diner株式会社
  • 株式会社キャピタル・トレーディング
  •  JFD株式会社
  • 一般社団法人日本マンション協会

前身は株式会社大松アセットマネジメントで、社名を変更してJRD株式会社となったようです。

JRD社は、自社マンションブランド「C’est joli(セジョリ)」シリーズの企画・開発・販売を行っており、建物管理・賃貸管理まで含めた資産形成不動産のコンサルティングを提供しています。

そして税理士事務所やファイナンシャルプランナーと連携し、顧客それぞれに合った資産形成のサポートを行っているとのこと。

JRD社によると、創業25年で、以下のような実績があるとしています。

  • 120棟、4785室の分譲・供給実績(2020年10月時点)
  • 賃貸入居率が97.8%(2020年7月時点)

賃貸入居率は業界トップクラスとのこと。

また代表取締役の佐藤氏は「東京ワンルームマンション経営学」という書籍を出版しており、実績や知識は豊富なようです。

iRDの運営会社は、マンション経営のプロと言えるかと。

ただ、上場企業が運営している不動産投資クラウドファンディングサイトと比べると、信頼性は低いと言わざるを得ないでしょう。

投資する度に入金する必要がある

公式サイトによると、iRDでは「金銭の預託業務を行っていない」とあるため、投資家口座はないようです。

振込先口座を通知するメールが届いた後に入金する形になるので、おそらく投資の度に入金の必要があるかと。

少し手間がかかるデメリットはありますが、他行宛振込手数料が無料の銀行口座(楽天銀行や住信SBIネット銀行)を使えば入金手数料を無料にできるので、金銭的な負担はなくせますね。

iRDでの会員登録の流れ

ここからは、iRDでの会員登録の流れを解説していきます。

  1. 会員仮登録
  2. 会員本登録
  3. 本人確認書類の提出
  4. ハガキの受け取りと本人確認コードの入力

①会員仮登録

まずは会員仮登録を行います。

HP右上に表示されている「会員登録」をクリックするか、トップページ下部の「会員登録」をクリックしましょう。

「会員登録」をクリックすると、以下のような「会員仮登録」ページに移ります。

ページの案内に従って、メールアドレスやパスワード、秘密の質問などを入力していきましょう。

新案件の案内などがおそらく送付されるので、メールマガジン登録は「登録する」にチェックを入れておいた方が良いでしょう。

「会員仮登録を完了する」をクリックすると、登録したメールアドレス宛に「【iRD】会員仮登録完了のお知らせ」というメールが届きます。

メールには「会員本登録のURL」が記載されているので、24時間以内にクリックして会員登録を行いましょう。

②会員本登録

ここからはメールに記載されたURLから、会員本登録をしていきます。案内に従って、個人情報や銀行口座情報などを入力していきましょう。

入力する内容が多いので、ページ右にある「一時保存はこちら」を利用すると良いですよ。

住所(番地号)は全角なのでご注意を。

ここで入力する銀行口座の情報は、分配金などを出金した際に受け取る口座です。

金融資産とは、現金や預貯金だけでなく、株式、投資信託、債権(社債や国債など)、生命保険(掛け捨ては除く)なども含みます。

必ず余剰資金で投資するようにしましょう。

外国PEPsとは「Politically Exposed Persons (重要な公的地位を有する者) 」の略で、簡単に言うと「海外で要職についている人やその家族」です。

「内容に同意の上、本人確認書類提出へ進む」をクリックすると、本人確認書類の提出画面に移ります。

③本人確認書類の提出

次に本人確認書類の提出を行います。

今のところ、本人確認書類の提出方法は画像アップロードだけのようです。提出する本人確認書類は、以下のうちから2点。

「1.本人確認書類」と記載されていますが、「2」はないようです。少し誤字が目立ちますね…。

なお健康保険証については、2~3箇所のマスキング(隠すか塗りつぶす)が必要です。

本人確認書類は以下のように、どちらも表面と裏面をアップロードできますが、マイナンバーカードなどは表面のみでOKです。

「本人確認書類を提出する」をクリックすると、登録したメールアドレス宛に「【iRD】会員本登録申請受付完了のお知らせ」というメールが届きます。

今後は、審査の結果を待ちましょう。

④ハガキの受け取りと本人確認コードの入力

その後に行われる審査に合格すると、本人確認コードが記載されたハガキが簡易書留で届きます。

ハガキを受け取ったら、HPにログインして本人確認コードを入力しましょう。これで会員本登録は完了です。

会員本登録を申し込んでから10日以内に本人確認ハガキが届くそうなので、興味がある方は早めに申請しておいた方が良いですね。

まとめ

2021年4月12日からスタートした、新しい不動産投資クラウドファンディングサイト「iRD(イルド)」。1口10万円から投資でき、運用期間は短めです。

運営会社は、マンション経営のプロであるJRD株式会社。代表取締役は関連書籍を出版するなど、知識や実績は豊富なようです。投資対象となるのは、賃貸需要が高い都心のワンルームマンションとしています。

またiRDではほかの不動産投資クラウドファンディングサイトと同じく、優先劣後構造を採用しており、投資家のリスク低減に努めています。

一般的に不動産投資クラウドファンディングでは、劣後出資割合(事業者の出資割合)が20~30%のケースが多いのですが、iRDでは原則40%。劣後出資割合が高いとそれだけ投資家のリスクが減るので、大きなメリットですね。

その上、マスターリース契約でさらに運用中のリスクを軽減しており、投資家には非常に魅力的です。

まだスタートしたばかりで知名度は高くないため、穴場の事業者と言えるかもしれません。会員本登録を申し込んでから10日以内に本人確認ハガキが届くので、興味がある方は早めに登録申請しておくと良いですね。

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