2021年3月1日にHPを公開した新しい不動産投資クラウドファンディングサイト「ちょこっと不動産」。
ちょこっと不動産では、レジデンス、オフィスビル、テナントビル、店舗などの不動産に投資できます。運営会社は1991年から不動産業を営んでおり、実績は豊富なようです。
また優先劣後方式で投資家のリスクを軽減している上、マスターリース契約を結ぶことでさらにリスクを抑えている案件もあるなど、大きなメリットも。
このページでは、
などを詳しく解説していきます。
目次
ちょこっと不動産とは
「ちょこっと不動産」とは、株式会社良栄が運営する新しい不動産投資クラウドファンディングサイトです。
2021年3月1日にHPを公開し、HP公開と同時に会員登録の受付を開始しました。まだファンドは募集されておらず、ファンド情報も公開されていません。
今後の募集から目が離せないところです。
ちょこっと不動産の仕組み
ちょこっと不動産の仕組みについては、まず以下の図をご覧ください。
流れはほかの不動産投資クラウドファンディングサイトとほぼ変わらず、以下のようになります。
- 投資家はちょこっと不動産に出資
- 出資金をもとにちょこっと不動産が運用対象の不動産を取得
- 対象不動産を運用し、収益(賃料収入+売却益)を得る
- 得られた利益から、投資家に配当+元本償還を行う
対象不動産の種類は多め
不動産投資クラウドファンディングでは、事業者や案件によって、運用する不動産の種類が異なります。
例えば、以下のような種類があります。
- アパートやマンションなどの住居用不動産
- ホテルや民泊などの宿泊施設
ちょこっと不動産では、
- レジデンス(戸建て、マンション、アパート)
- オフィスビル
- テナントビル
- 店舗
などを想定しているようです。
不動産投資クラウドファンディングでは、分散投資でリスクを減らすことが重要とされているので、運用する不動産の種類を増やすことも大切です。その点、ちょこっと不動産では対象不動産の種類が多めなので分散投資が容易になります。
運用期間については、短期〜中長期の案件を予定しているようです。
新型コロナウイルスの影響で先行きが不透明な中、短期案件にも投資できるのは嬉しいですね(一般的に、運用期間が短いほど不動産市況の変動の影響を受けにくいため、リスクは低いとされている)。
ちょこっと不動産の特徴
ちょこっと不動産には、
などの特徴があります。
1口1万円から投資可能
ちょこっと不動産では、1口1万円から投資できます。
一般的に、不動産投資を行うにはある程度まとまった資金が必要ですが、ちょこっと不動産を利用すると少額で不動産投資を始められます。
気軽に投資を始められる上、少額で投資できるのでリスクを減らせるメリットもあります。
ほったらかしで不動産投資ができる
ほかの不動産投資クラウドファンディングサイトと同様に、ちょこっと不動産を利用すれば不動産を所有することなく不動産投資ができます。
また、実物の不動産を取得した際に必要な固定資産税などの税金の支払いや、入居者の募集、建物の管理なども必要ありません。いったん案件に投資すると、後は配当と元本償還を待つだけなので、忙しい人でも不動産投資が始められます。
優先劣後方式でリスクを軽減
ちょこっと不動産では、優先劣後方式を導入することで、不動産売却時の価格下落リスクを軽減しています。優先劣後出資方式自体は、多くの不動産投資クラウドファンディングサイトで採用されています。
優先劣後方式には、以下のような特徴があります。
- 対象不動産に投資家とちょこっと不動産がどちらも出資
- ちょこっと不動産は、おそらく不動産価値の20%ほど(割合は不明)を出資
- 損失が発生した場合は、ちょこっと不動産が優先的に負担
- 利益は、投資家に優先的に分配
不動産売却時に損失が発生した場合、損失はちょこっと不動産(株式会社良栄)が優先的に負担するので、投資家のリスクは低くなっています。
例えば劣後出資割合(ちょこっと不動産の出資割合)が20%の場合、以下の図のように、不動産評価額の下落幅が20%以内なら元本は欠損しません。
しかし優先劣後方式は「元本割れしない」と保証するものではありません。劣後出資割合を超える損失が発生した場合(図では2,000万円を超えると)、元本は毀損します。
ちょこっと不動産の劣後出資割合については、まだ公表されていません。一般的に、不動産投資クラウドファンディングでは劣後出資割合が20~30%のケースが多いので、この数値を目安にすると良いでしょう(劣後出資割合が高いとそれだけ投資家のリスクが減る)。
マスターリース契約でさらにリスクを軽減
運用対象の不動産が賃貸物件の場合には、マスターリース契約を結ぶので、さらにリスクが軽減されます。
マスターリース契約とは、不動産を第三者(ここでは「入居者」)に貸し出すことを目的に、所有者(ここでは「ちょこっと不動産」)から不動産を一括して借り上げる賃貸借契約のこと。
マスターリース契約で、ちょこっと不動産から建物を一括で借り上げる賃借人は「不動産賃貸会社」です。賃借人は、入居者(第三者)との間でサブリース契約(転貸借契約)を結んで賃料収入を得ます。
- マスターリース契約 不動産賃貸会社が、対象不動産を一括借り上げる
- サブリース契約 不動産賃貸会社が、入居希望者に対象不動産を貸し出す
ちょこっと不動産にとっては、運用対象の不動産を一括して貸し出す契約なので、入居率の影響を受けることなく、一定の賃料が安定的に確保できます。そのため、投資家に安定的な配当ができる上、空室リスクや家賃滞納リスクを回避できるメリットもあります。
賃貸物件ファンドは、優先劣後方式に加えて、マスターリース契約があるのでリスクはかなり低いと言えるでしょう。
ただし、賃借⼈が倒産するなどした場合には収益に悪影響を与えるおそれがあるので、「マスターリースだから元本割れしない」というわけではありません。
運営会社は未上場
ちょこっと不動産の運営会社は、株式会社良栄です。
良栄社の基本的な情報は以下の通り。
会社名 | 株式会社 良栄 |
設立年月日 | 1991年2月18日 |
代表取締役 | 森田 良人 |
資本金 | 1億円 |
事業内容 |
|
良栄社は創業以来、不動産開発事業に取り組んできたそうで、実績は豊富です。
また不動産賃貸事業では、首都圏のマンション、アパート、テナントビル、店舗、駐車場などを賃貸しているとのこと。多様な用途・種類の不動産に投資することで、バランスの取れた資産ポートフォリオを構築し、経済状況の変化に伴う賃料収入変動リスクを回避しているそうです。
ちょこっと不動産の運営会社は、不動産のプロと言えるでしょう。
良栄社の本社は新宿ですが、さらに支店が4店舗あり、順調に事業を拡大している様子が窺えます。
ただ、上場企業が運営している不動産投資クラウドファンディングサイトと比べると、信頼性は低いと言わざるを得ないでしょう。
なお、良栄社のHPで自社の「売上高」と「経常利益」を公表しているので、ちょこっと不動産を利用するかどうかの判断材料になりますね。
参考:https://ryoei1991.co.jp/company/finance-highlight/
GMOあおぞらネット銀行を利用すれば出金手数料は無料
ちょこっと不動産では、GMOあおぞらネット銀行を利用すれば、出金手数料は無料です。
上記の図のように、GMOあおぞらネット銀行以外を利用するなら、出金手数料がかかります。ちょこっと不動産を利用する予定なら、GMOあおぞらネット銀行で口座を開設することも考えた方が良いでしょう。スマートフォンをお持ちなら、最短即日で口座開設できますよ。
なお入金手数料については、ほかの不動産投資クラウドファンディングサイトと同じく、投資家負担です。GMOあおぞらネット銀行や楽天銀行、住信SBI銀行などを利用すれば、条件によって他行宛振込手数料が無料になるので、入金手数料を無料にできますよ。
第1号案件の募集開始時期
ちょこっと不動産の第1号案件は、2021年5月を目処に募集予定とのこと。
どんな案件になるのか、詳細についてはまだ公表されていません(2021年3月11日時点)。
初号案件に申し込むためには、事前に会員登録しておく必要があります。会員登録に少し時間がかかる場合もあるので、興味がある方は早めに登録しておきましょう。
ちょこっと不動産での会員登録の流れ
ここからは、ちょこっと不動産での会員登録の流れを解説していきます。
①会員仮登録
まずは会員仮登録を行います。
HP右上の「会員登録」をクリックするか、トップページの「無料会員登録はこちら」をクリックしましょう。
「会員登録」をクリックすると、以下のような「会員仮登録」のページに移ります。
案内に従って、メールアドレスやパスワード、秘密の質問などを記入していきましょう。
新案件の案内などがおそらく送付されるので、メールマガジン登録は「登録する」にチェックを入れておいた方が良いでしょう。
「会員仮登録する」をクリックすると、登録したメールアドレス宛に「【ちょこっと不動産】会員仮登録申込受付のお知らせ」というメールが届きます。
メールには「会員登録のURL」が記載されているので、24時間以内にクリックして会員登録を行いましょう。
②会員登録
ここからはメールに記載のURLから、会員登録をしていきます。案内に従って、個人情報や銀行口座情報などを入力していきましょう。
入力する内容が多いので、ページ下にある「一時保存」を利用すると良いですよ。
住所(番地号)は全角なのでご注意を。
「投資資金の性格」ですが、余裕資金で投資しましょう。
ここで入力する銀行口座の情報は、分配金などを出金した際に受け取る口座です。
外国PEPsとは「Politically Exposed Persons (重要な公的地位を有する者) 」の略で、簡単に言うと「海外で要職についている人やその家族」です。
「内容を確認の上、本人確認書類提出に進む」をクリックすると、本人確認書類の提出画面に移ります。
③本人確認書類の提出
次に本人確認書類の提出ですが、合計で3点の提出が必要です。
- 本人確認書類 2点
- 銀行口座確認書類 1点
なお健康保険証については、2~3箇所のマスキング(隠すか塗りつぶす)が必要です。
今のところ、提出方法は画像アップロードだけのようです。アップロードの手順や、ファイル形式、ファイルサイズなどは下記を参考にしてください。
本人確認書類は以下のように、どちらも表面と裏面をアップロードできますが、マイナンバーカードなどは表面のみでOKです。
銀行口座確認書類は、会員登録で登録した銀行口座の情報が記載されたものをアップロードしましょう。
「本人確認書類を提出する」をクリックすると、登録したメールアドレス宛に「【ちょこっと不動産】会員情報登録受付のお知らせ」というメールが届きます。
今後の流れは以下のようになります。
④ハガキの受け取りと本人確認コードの入力
その後に行われる審査に合格すると、本人確認コードが記載されたハガキが簡易書留で届きます。
ハガキを受け取ったら、HPにログインして本人確認コードを入力しましょう。これで会員登録は完了です。
審査に3~5営業日かかる場合もあるとのことなので、早めに申請しておいた方が良いですね。
まとめ
2021年3月1日にHPを公開した新しい不動産投資クラウドファンディングサイト「ちょこっと不動産」。1口1万円から気軽に投資でき、運用期間は短期~中長期を想定しているとのこと。
運営するのは、不動産のプロである株式会社良栄。投資対象の不動産は、レジデンス、オフィスビル、テナントビル、店舗などが想定されています。
ちょこっと不動産の案件では、ほかの不動産投資クラウドファンディングサイトと同じく優先劣後方式が採用されており、投資家のリスクを低減しています。また、賃貸物件ファンドの場合はマスターリース契約で運用中のリスクをさらに軽減しており、投資家には非常に魅力的です。
第1号案件は2021年5月に募集予定とのことで、どのような案件になるのか目が離せませんね。審査に3~5営業日かかる場合もあるそうなので、興味がある方は早めに登録申請しておきましょう。