東南アジアのファンドに投資できるソーシャルレンディング「アンシンバンク」とは

公開日:

2021年4月28日から投資家登録の受付を開始した、新しいソーシャルレンディングサイト「アンシンバンク」。

運営会社は2021年で創業50年目としており、金融商品取引業の実績は豊富な様子。

アンシンバンクでは、成長著しい東南アジアなどの海外案件に投資できるため、高いリターンが期待できそうです。なお不動産担保は付いていませんが、連帯保証を付けて投資家のリスク軽減を図ると見られます。

このページでは、

などを詳しく解説していきます。

アンシンバンクとは

アンシンバンクとは、サン・キャピタル・マネジメント株式会社が運営するソーシャルレンディングサイトです。

成長著しい東南アジアをはじめとして、多くの資金需要者と投資家との架け橋となるサービスを提供していくとのこと。

2021年4月28日から、投資家登録の受付を開始。同時に、第1号案件の詳細も公開しました。

アンシンバンクの今後から目が離せませんね。

アンシンバンクの仕組み

アンシンバンクの仕組みを簡単に言うと、「お金を借りたい企業と、お金を運用したい投資家をマッチングするサービス」です。

ソーシャルレンディングは、貸付型ファンドや融資型クラウドファンディングとも呼ばれています。

流れはほかのソーシャルレンディングサイトと変わらず、以下のようになります。

  1. アンシンバンクは、ネット上で投資家からお金を集める
  2. 投資家はアンシンバンクの案件に投資
  3. 投資家の出資金をもとに、お金を借りたい企業に貸付を行う
  4. 借り手企業は、アンシンバンクに元本と利息を返済する
  5. 返済された元本と利息をもとに、アンシンバンクは投資家に利益を分配する

借り手企業が返済できなくなる可能性もあるので、貸付には担保や保証を付けるソーシャルレンディングサイトが多いです。アンシンバンクでは、第1号案件を見る限り、不動産担保ではなく連帯保証を付けることで、投資家のリスクを軽減する予定だと推察されます。

アンシンバンクの特徴

アンシンバンクには、

などの特徴があります。

1口5万円から投資可能

アンシンバンクでは1口5万円で投資可能です。また、5万円単位で追加投資ができます。

1円から投資可能なソーシャルレンディングサイトもあるので、できるだけ少額で投資したい人には不向きと言えるでしょう。

しかし、まとまった金額を投資に回したい人にはおすすめかもしれません。

利回りは高めで、運用期間は短め

第1号案件を見ると、予定利回り(年利)は7%。予定利回り(年利)が3~5%ほどのソーシャルレンディングサイトが多い中、7%は高めですね。

運用期間は6か月と短めです。

新型コロナウイルスの影響で先行きが不透明な中、短期案件に投資できるのはありがたいですね(一般的に、運用期間が長いとデフォルトリスクやカントリーリスクなどが増えるとされている)。

海外案件に投資できる

アンシンバンクでは、成長著しい東南アジアをメインに、海外案件に投資できます。海外案件を取り扱うソーシャルレンディングサイトは少なめなので、海外の事業に投資できるのはメリットですね。

第1号案件では、インドネシアの事業に対する融資となっています。

外務省のインドネシア基礎データによると、政治社会情勢と金融の安定化、個人消費の拡大などを背景に、2005年~2019年までの経済成長率は5%後半~6%台(世界金融・経済危機の影響を受けた2009年を除く)と比較的高いそうです。

このように経済成長が著しい国の事業に投資できるので、アンシンバンクでは高い利回りを期待できます。

ただし、海外案件にはカントリーリスクや為替変動リスクなどもあります。さらに、国内企業の案件に比べて、

  • 融資先の情報が少ない
  • 貸し倒れリスクが高くなっている

などの可能性もあるので、リスクとリターンを十分考慮したうえで投資すると良いでしょう。

出金手数料は無料

アンシンバンクでは、出金手数料は無料です。

ほかのソーシャルレンディングサイトでは出金手数料は基本的に投資家負担なので、出金手数料が無料なのはありがたいですね。

入金手数料は投資家負担

入金手数料は、ほかのソーシャルレンディングサイトと同様に、投資家負担です。

しかし第1号案件の契約締結前交付書面を見ると、入金先は三菱UFJ銀行、楽天銀行のいずれかです。どちらの銀行も同行間振込手数料は以下のように無料なので、いずれかの銀行を利用すれば入金手数料を無料にできます。

三菱UFJダイレクト(インターネットバンキング) 無料
楽天銀行の通常振込 無料

また住信SBI銀行などであれば、条件によって他行宛振込手数料が無料になるので、投資用に口座を開設するのも良いかもしれません。

運営会社は未上場

アンシンバンクの運営会社は、サン・キャピタル・マネジメント株式会社です。

サン・キャピタル・マネジメント社の基本的な情報は以下の通り。

会社名 サン・キャピタル・マネジメント株式会社
所在地 大阪市中央区瓦町4-4-7 おおきに御堂筋瓦町ビル3F
設立年月日 1972年2月2日
代表者 代表取締役社長  前田 利和
資本金 1億8,300万円(2021年4月30日時点)
主な事業
  • 第二種金融商品取引業
  • 金融商品仲介業
取扱商品
  • 事業型ファンド(アンシンバンク)
  • 外国債券
  • 金地金取引

サン・キャピタル・マネジメント社は、外国債券の紹介や金地金取引などを行う金融商品取引業者です。2021年で創業50年目を迎えるとのことで、金融商品取引業の実績は豊富なようです。

サン・キャピタル・マネジメント社は上場しておらず、業績も公開されていません。事業者選びの際は、事業者自体の倒産リスクも考える必要があるため、運営会社が上場企業や証券会社である事業者と比べると信頼性は低いと言えます。

なお、運営会社は2016年に行政処分を受けています。

参考:http://kinki.mof.go.jp/file/rizai/pagekinkihp20160531syobun.html

行政処分を受けた理由は、簡単に言うと「事実と異なる内容を表示して、匿名組合契約に基づく権利の私募の取扱いを行っていたから」のようです。投資される事業の内容について、サン・キャピタル・マネジメント社は事実を把握していなかったとあるので、故意に虚偽の表示をしていたわけではないようです。

アンシンバンクの今後の動向に注目ですね。

第1号案件は2021年5月6日から募集開始予定

アンシンバンクの初号案件「インドネシアP2Pレンディング[Asetku]ファンド1号」は、2021年5月6日から募集を開始予定とのこと。

  • 募集期間 2021年5月6日~2021年6月10日
  • 募集金額 5,000万円
  • 予定利回り(年利) 7%
  • 運用期間 6か月
  • 投資単位 5万円
  • 分配方法 満期一括
  • 担保 なし
  • 保証 PT Akulaku Silvrr Indonesiaによる連帯保証

この案件の詳細を解説する前に、先にインドネシアの現状について簡単に説明します。

まず、インドネシアの人口は約2.67億人(2019年、インドネシア政府統計)ですが、国民の半数は銀行口座を持っておらず、融資を受けられない個人や中小企業が多いとのこと。

そして高い経済成長率や個人消費の拡大もあり、インドネシアではフィンテック市場が拡大中で、フィンテック企業が増えているようです。

なお「フィンテック」とはファイナンス(金融)とテクノロジー(技術)を組み合わせた造語で、例えば

  • ソーシャルレンディング
  • クラウドファンディング
  • キャッシュレス決済
  • 仮想通貨

などの、幅広い分野のサービスを指します。

インドネシアのフィンテック企業では、特に「P2Pレンディング(※)」が主力事業の1つになっているとのこと。

(※P2Pレンディングとは、銀行などの金融機関を介さずに、インターネット上で借り手と貸し手を結びつけて直接融資を行う新しい金融仲介の仕組みのこと。海外では普及が進んでいる)

これらの事実を背景に、今回インドネシアのP2Pレンディング「Asetku」に対して融資を行うファンドを組成したようです。

概要は以下の通り。

  1. 株式会社アンシンファンドが、アンシンファンド社の親会社PT Belanja Hitungan Detik(BHD社)に対し貸付を行う
  2. BHD社は借入金を原資として、 最終資金需要者であるP2Pレンディング「Asetku」の借り手ユーザーに対する貸付事業を行う

アンシンファンド社からの貸付は円建てで行われ、為替手数料及び為替リスクについてはBHD社が負うとのこと。返済は、BHD社の事業収益及び固有財産より行われる予定です。

PT Akulaku Silvrr Indonesia(ASI社)による連帯保証が付いていますが、ASI社はPT Pintar Inovasi Digital社(Asetkuサイト運営会社)の親会社であり、Akulakuグループの中核企業です。

Akulakuグループは、中国のアリババグループの金融関連会社など多くのベンチャーキャピタルから出資を受けており、東南アジアのネクストユニコーン企業として注目されている企業グループとのこと。Akulakuグループの資金調達額は2億米ドル超(日本円で約217億円)と大きなグループなので、すぐに倒産するリスクがあるとは考えにくいですね。

初号案件の募集は、4月28日に投資家登録の受付を開始→5月6日から募集開始とかなりスピーディです。

興味がある方は早めに投資家登録しておきましょう。

アンシンバンクでの会員登録の流れ

ここからは、アンシンバンクでの会員登録の流れを解説していきます。

  1. ユーザー登録
  2. 個人情報の入力
  3. ハガキの受け取り

①ユーザー登録

まず、ユーザー登録を行います。

HP右上の「ユーザー登録」をクリックしましょう。

「ユーザー登録」をクリックすると、以下のページに移ります。

まずはメールアドレスを入力し、送信ボタンをクリックしましょう。その後、入力したメールアドレス宛てに「Anshin Bank | アンシンバンク 口座開設検証コード」というメールが届きます。

メールには検証コードが記載されているので、ユーザー登録画面で検証コードを入力してください(検証コードの有効時間は10分)。

パスワードの記入や利用規約の確認などを行った後、「同意する」をクリックすると、「アカウント申請成功」というページに移ります。

「トップに戻る」をクリックしトップページに戻ると、以下のように「お知らせ」が表示されるので「次に進む」をクリックしましょう。

「次に進む」をクリックすると、個人情報を入力するページに移ります。

 ②個人情報の入力

ここからは個人情報を入力していきます。案内に従って、氏名や生年月日、住所などを記入していきましょう。

「次のステップ」をクリックすると、居住地や国籍を問うページに移ります。

外国PEPsとは「Politically Exposed Persons (重要な公的地位を有する者) 」の略で、簡単に言うと「海外で要職についている人やその家族」のことです。

書類をすべて確認してから、「次のステップ」をクリックしましょう。

次のページでは、年収や金融資産、投資経験などを入力していきます。

「余裕金融資産の額」とは、金融資産のうち、生活費等の使い道の決まった資金や、借入金等を除いた金融資産のこと。なお「金融資産」には、現金や預貯金だけでなく、株式、投資信託、債権(社債や国債など)、生命保険(掛け捨ては除く)なども含めます。

記入後は「次のステップ」をクリックしましょう。

次のページでは、

  • 本人確認書類とマイナンバー書類のアップロード
  • 金融機関口座情報の入力

を行います。

提出できる本人確認書類は、以下の通り。

  • 顔写真付き 1点でOK
  • 顔写真なし 2点が必要

提出できるマイナンバー書類については、以下の通り。

マイナンバーカードをお持ちであれば、表面と裏面の両方をアップロードするだけで書類の提出は済みます。

マイナンバーカードがなければ、以下のように、本人確認書類とマイナンバー書類を提出しましょう。

今のところ、書類の提出方法は画像アップロードだけのようです。

次に、金融機関情報を入力します。ここで入力する銀行口座は、分配金などを出金した際に受け取る口座です。

「次のステップ」をクリックし、次のページで、これまでに入力した内容を確認しましょう。問題なければ、ページ下部の「次のステップ」をクリックしてください。

クリックすると、「登録申請が完了いたしました」というページが表示され、登録したメールアドレス宛に「Anshin Bank | アンシンバンク 登録申請完了」というメールが届きます。

今後の流れは以下のようになります。

③ハガキの受け取り

その後に行われる審査に合格すると、簡易書留でハガキが届きます。

ハガキを受け取ると、口座開設の手続きは完了です。

一般的に、審査には3~5営業日ほどかかるので、早めに申請しておいた方が良いですね。

まとめ

2021年4月28日から投資家登録の受付を開始した、新しいソーシャルレンディングサイト「アンシンバンク」。1口5万円から投資でき、運用期間は短めを想定しているようです。

運営するのは、2021年で創業50年目を迎えるサン・キャピタル・マネジメント株式会社。アンシンバンクを始める前には、外国債券の紹介や金地金取引などを行っており、金融商品取引の実績は豊富なようです。

アンシンバンクでは、成長著しい東南アジアの事業に投資できるため、高いリターンを期待できます。担保は付いていませんが、連帯保証を付けることで投資家のリスク軽減を図っています。

初号案件の募集開始は2021年5月6日を予定しているとのこと。審査に時間がかかることもあるので、興味がある方は早めに申請しておくと良いですね。

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